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「ちくのう」は正式には副鼻腔炎と呼びます。風邪のウイルスや細菌またはアレルギーなどが原因で発症します。
副鼻腔とは、鼻のさらに奥にあるいくつかの空洞のことです。ここに炎症がおこると「副鼻腔炎」となります。
私が小さい頃は、いつも色のついた鼻水を男の子はたらしてくれて、それをふくそで口が白くなっていたものです。昔は鼻に膿(のう)が蓄積されて(=ちくのう)いる子供や大人がとても多かったのです。でも、生活スタイルの変化などにより副鼻腔炎は随分様変わりしました。
風邪のあとやむし歯が原因などで一時的に起こるものを「急性のちくのう(急性副鼻腔炎)」、3 ヶ月以上症状が続くものを「慢性のちくのう(慢性副鼻腔炎)」と定義されています。
急性のちくのう(急性副鼻腔炎):風邪とひいたあとのほほの痛み、頭痛、歯痛などがよくみられます。「風邪のあとに、どうも右上の歯が痛い」とか「右のほっぺが痛い」とか「頭痛が取れない」などの症状は、急性副鼻腔炎のことが多いです。なかなかお薬やネブライザーでの治療でも良くならないときは、膿を出して副鼻腔炎にお薬を入れるカテーテル治療(写真)をおこなうこともあります。
慢性のちくのう(慢性副鼻腔炎):3 ヶ月以上の長い間症状が続くものをいいます。最近は「好酸球」という白血球成分が多い慢性のちくのうが増えてきました。「好酸球性副鼻腔炎」と呼ばれ、なかなか簡単には治りにくいことが問題となっています。
① 鼻漏、後鼻漏
粘り気がありまた濃い鼻水が鼻からとのどに流れます。
② 鼻づまり(鼻閉)
③ 頭痛、顔面の痛み
頑固な頭痛や顔の鈍い痛みなどがあり、思い切って頭のCTやMRIなどを受けると「ちくのうがありますね、耳鼻科で治療してくださいね」と言われてこられる方もよくおられます。それらの方々には「別に、鼻水がたれているわけではないのになあ」とおっしゃる方もしばしばです。
④ 長引く咳
とくに夜間に咳がひどくなる場合、副鼻腔炎が原因の後鼻漏によって、のどが刺激されて長引く咳を引き起こします。
⑤ 臭いが弱くなる・臭わなくなる
とくに好酸球性副鼻腔炎では必ずみられる症状です。
治療法は:適切な点鼻薬や内服薬などの薬を、経過を見ながらじっくり続け、必要な場合は手術をおこないます。
① 鼻かみ
鼻の中に鼻水をためたままでは、長引く鼻づまりや咳の原因になります。
・やわらかいティッシュペーパーを使いましょう。
・片方ずつ、ゆっくりと、少しずつかみましょう。
・症状のある方は、気になったときはいつでも、また
夜寝る前はルーチンとして行いましょう。
② 鼻うがい(鼻洗浄)
冷たい水道水は厳禁です!お風呂のお湯もダメです! かえって鼻を痛めるだけです。専用の器具で専用のお薬が理想ですが、私がおすすめする方法は、
・お水 100ml にお塩 1g、、37℃程度に温めます。
・片手に取り、片鼻をかるく押さえ、水をゆっくりと吸い込み、ある程度奥まで入ったら、同じ側か反対側からゆっくり出します。
やりすぎもいけません、夜1回だけでもきちんと続けましょう。
※「シティ情報ふくおかFukuoka mook 2025福岡の頼れるお医者さん」に出稿した記事を元に作成しました。