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耳ってときどき無性にかゆくなりませんか?
でもテレビの健康番組などではお医者さんは「耳は竹棒やヘアピンなどでむやみにゴリゴリやってはいけませんよ」と言っているし、どうしたらいいの!と思いますよね。
今回は耳のかゆみについて、また耳のさわり方についてのお話です。
・外耳道(耳のトンネル)のしくみ
外耳道はおとなでは約3.5cmの長さがあります。入り口から1/3くらいまでは周囲は軟骨で囲まれているので「軟骨部外耳道」、それより奥は骨で囲まれているので「骨部外耳道」に分けられ終点には「鼓膜」があります。
軟骨部外耳道は皮膚にやや厚みがありその裏が比較的弾力がある軟骨なので柔らかめのクッションのようなものですが、奥の骨部外耳道は骨の上に薄い皮膚が乗っているだけでむこうずねのような状態で刺激にすごく弱くなります。
・なぜ痒くなるの?
痒みを訴える方は私個人の印象ですが男性よりも女性に多く、あらゆる世代の人にみられます。
一般的な原因としては
① さわりすぎ
② イヤホンを長くつけて音楽を聴く習慣
③ 風呂の水やプールの水が耳に入る
などが挙げられます。
風呂上がりなどに耳を専用の竹棒や綿棒などでコリコリボリボリ。気持ちよいですよね。しかし先程の「しくみ」でお話ししましたように、軟骨部は奥の骨部に比べると柔らかくまだ刺激に対する余裕がありますが、奥の骨部はとても刺激を受けやすく、さわりすぎるとジクジクと炎症し痒みをおこします。
毎日長い時間イヤホンを耳に押し込んでいると耳の中が密閉された状態が続くことで蒸れてしまいジクジクと痒みが出やすくなります。
風呂の水やプールの水が中に入ってしばらくとどまってしまうと、耳あかや皮膚がふやけてしまうことで痒みの原因になります。
・耳のお手入れは?
「ひんぱんには耳を触らない、できるだけ耳掃除はしなくて良い」が基本です。
耳あかは病気ではありません。無理に取る必要はないのです。でも耳あかが詰まってくると耳の違和感やふさがった感覚、聞こえの悪さを感じてしまいます。 耳あかがすぐそこに見えるときにだけ外耳道の壁をできるだけこすらないようにやさしく引き出すように取り出してください。どうしても奥が気になり取りにくいようでしたら当院で安全に処置します。
※正しい耳のさわり方
綿棒だから安心というわけではありません。綿棒でも決して強くゴシゴシはしないでください。ジクジクさせてしまい痒みの元になります。
竹棒でも綿棒でも、耳の入り口から1cmくらいまでの深さまでを柔らかく触る程度にしてください。耳の入り口から「球状の綿花がついている部分(綿体といいます)の根元は見えるくらいに」がよいと思います。深く入れてしまうと骨部外耳道に届いてしまい痛みが出てその後のしつこい痒みの元になります。
イヤホンの使いすぎで耳の痒みをおこす人はイヤホンの使用を控えヘッドホンを使用しましょう。
※外耳道に痒みをおこす病気
・アトピー体質の人はアトピー性外耳炎をおこしやすいです。
・真菌(カビ)や細菌がついて炎症をおこすと耳の頑固な痛みと痒みをおこします。
・脂漏性湿疹はジクジクと分泌液が続き皮膚が赤くただれて痒みとともに角質がポロポロしてきます。
それぞれ治療法が異なります。きちんと診察治療を受けましょう。