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スギヒノキ花粉症は、2 月に入って頃から4月にかけて鼻や目、また皮膚の症状をおこしてしまいます。北海道と沖縄をのぞいた地域での日本独特の花粉症ですが、世界的には花粉症といえばイネ科花粉症が最も一般的です。
初夏から秋まで長い期間飛散しますが、特に 5月前後から初夏までに多く開花します。飛散時期が長いため症状が長引くこともあります。
あれ?スギやヒノキの飛散は終わったはずなのになあ、寒暖差かなあ、黄砂かなあ、と症状を感じている方はイネ科の花粉症かもしれません。
イネ科花粉症といっても、農家の方々が毎年お作りになるイネは関係ありません。
イネ科花粉症の原因植物は、カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなど数種類あります。多くは、明治時代に牧草としてやってきて野生化し、北海道から沖縄まで広く分布しています。道端やあぜ道、公園、空き地、河川敷などに雑背丈は1メートル前後でスギやヒノキなどの樹木よりも低いため、風に乗って飛んでいく距離(飛行距離)はスギやヒノキに比べると随分と短く、症状は公園やあぜ道や空き地などカモガヤが自生している場所近辺に住んでいる人や場所近辺を通勤通学などで通る人に多く見られます。
飛散量そのものはスギやヒノキに比べると多くはないのですが、少ない量でも、目や鼻の症状以外にさまざまな症状をおこし、一気に大量に吸入してしまうとひどい症状をおこす心配もある重要な花粉です。
以前、花粉症の勉強の中でカモガヤという名前を知ったとき
「なんでカモなんだろう」
と思ったのを憶えています。そのときはまずいつものように広辞苑で調べたのですが、ひと言「オーチャードグラスの和名」だけ。 その後、英名での別名”cock’s foot”つまり「ニワトリの足」を、訳を担当した人がニワトリをカモと間違えたためという、なんとも微笑ましい歴史があることを知りました。今は何の苦労もなくネットやAIが簡単に教えてくれますが、先人達は限りある情報の中で後世のために必死で頑張ってこられたのですね。
スギ・ヒノキ花粉症にみられるような鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)や目の症状(かゆみ、涙)が主ですが、スギヒノキ花粉症では多くはみられないノドの症状(イガイガ、引っかかり感、痛み、乾燥感)がスギ・ヒノキ花粉に比べて多い特徴があります。また咳や喘鳴をおこすこともあります。皮膚のかゆみ、耳のかゆみなどもあります。
また、イネ科花粉と共通抗原性を持つメロンやスイカ、キウイなどを摂取したときに、唇や口、ノドなどにイガイガ感やかゆみや腫れなど口腔アレルギー症状をひきおこすことがあります。