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楽しい車や船の旅行。でも、中でスマホや本を見ていたらだんだんと胸がムカムカしてきてなんだか吐きそう。あー、せっかくの旅行の一部がチョッピリ残念。乗り物酔いはつらいですね。
英語の「ムカムカする(nausea)」の語源は、古代ギリシャ語の「船酔い」からきています。古代ギリシャの人々にとって「船に酔ってしまうこと」は大きな悩み事だったのでしょう。
「どうして酔うのでしょう
」
耳の中の「内耳」が重要な役をしています。
乗り物の不規則な振動や
加速
減速、それに伴う体の上下・左右などの刺激は内耳でとらえられ、それらは情報として内耳から脳へ送られます。
それらの情報が、十分あ
らかじめ予測できて今までに経験して慣れたものであれば酔うことはありません。
バスの運転手さんや船の操縦士さんが酔うことはありませんよね。 今までに長年運転してきた経験から得て脳に蓄積されている情報と、運転している今現在どのような姿勢や位置にいるのかを、耳や目からの情報を処理して前もってさまざまな反射により整えてることができるからです。
ところが、予測出来ない
慣れない刺激がくり返されると脳が混乱し自律神経に異常な信号を送ってしまうことで生あくびや吐き気嘔吐などの乗り物酔いの症状が出てしまうのです。 耳の機能や脳のネットワークが発育途上で、まだ乗り物に乗る経験が少ない子どもさんはよく乗り物酔いを起こしてしまいます。 大人になるにつれて耳の機能は成熟し乗り物に乗る経験を多く積むことで乗り物酔いは次第におこしにくくなりますがこれも個人差(感受性)が大きいです。 普段は滅多に酔うことのない大人の人でも、睡眠不足や空腹、二日酔いなど体調不良のとき、ガソリンなどの不快臭を嗅いだとき、本を読んだりスマホをさわっていたりしているときは酔ってしまうこともあります。
「乗り物に酔わないようにするには」
バスの運転手の近くに座らせ
進行方向を見るようにするとよいでしょう。ヘッドレストに頭をしっかりつけます。 乗り物の中ではスマホは見ずに読書を控えましょう。近くの景色は見ないで遠くの制止したように見える景色を見るようにしましょう。眼を閉じておくのもよいです。
また、子どもさんにとってはなんといっても「慣れる」ことも大切です。楽しく乗っていた
ら「こんどは酔わずに楽しめた」という成功体験を覚えていくことで、次第に「酔うかもしれない」という気持ちを克服することが出来ます。親御さんも「酔ったらかわいそう」と乗り物に乗せることを避けることはせずにむしろどんどん載せて慣れさせてください。
日頃からシーソーやブランコ, マット運動などを安全に楽しく積極的におこなって平衡感覚をきたえましょう。学校や公園でシーソーやブランコなどを見かけたらぜひ楽しく遊んでください。中高生以上の方も恥ずかしがらずに!
家では、寝る前や暇なときにスペースを見つけて、でんぐり周りを毎日2-3往復して平衡感覚をきたえましょう。
乗り物酔いの予防薬治療薬を上手に活用しましょう。薬の効果ももちろんありますし、子どもさんの場合は「服用したから大丈夫」という安心感をもつことができます。冷たい氷や氷水を含むことも効果的です。 冷たい刺激が乱れた自律神経を落ち着かせます。
乗り物酔いは気分的な要素も多いので、「酔うかもしれない」という心配な気持
ちはできるだけ避けるよう、よく話したり、周りの人も話しかけたり楽しい雰囲
気を作れればよいと思います。