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2月15日で64才を迎えました。63才の最後にどの本を読むか結構悩む日々が続きました。湊かなえさんか吉本ばななさんにするかはたまた開高健、三島由紀夫もしくは森鴎外にするか(バラバラですね)、どうしようかなあとボンヤリ見ていて、ふと音楽雑誌の坂本龍一さん特集でのブックレビューで目にとまったのが「モンパルナス1934」でした。全く何の前知識もなく、本の成り立ちもどんな登場人物が出るのかも全く知らずに、「私が63才最後に読むのはこれで間違いない!」と即決、なんと言っても本の「居ずまい」と「漂う香り」がとても素敵でした。 この「香り」だけは絶対電子本で味わうことは出来ません。私は医学書はともかく小説などは圧倒的に紙派です。 早速購入して読み始めましたがこれが全然先に進みません。なんと言ってもめくるめくいろいろな土地や人や店が出てきます。Google やGoogle Mapで調べ調べじっくりと読み進めました。カンヌのマジェスティックホテルから始まるカンヌの街、それから主人公のカーチェイスのときのパリ市街のいろいろな通りや教会や広場もMapや写真で追いながらハラハラドキドキ。そしてモンパルナス通りのラ・クーポール、現存してネットで観て今も活気華やかですごいです。川瀬巴水、岡本太郎、ジャン・コクトー、藤田嗣治などは孫引きでしっかり勉強しなおしました。主人公の川添さんが暗唱するほど読み込んだという永井荷風の「ふらんす物語」は購入して今読み始めたところです。そしてロバートキャパ。数年前に沢木耕太郎さんの「キャパの十字架」を読んで一層好きになった大写真家です。彼の文庫写真集を奥から引っ張り出してまた見直しました。この「モンパルナス1934」の本の裏に写っているのはキャパ自身なんですね。キャンティのホームページを読ませてもらいました。1回目の読了後「そういえば!」と思いだして、数年前に購入した「開高健のパリ」を取り出してきてまた復習。 大戦前大戦中という荒波の中でも格好よくプライド高く活躍された川添さんたち若者達が駆け抜けたパリの街を、戦後今度は若い開高健が訪ねている、なんでこうも格好よいのでしょう。
どのご職業の方々でも知識を広げる際には「孫引き」はコツでしょうが、私たち医療人の知識の拡大に必須の手段はよい論文からの孫引き検索です。「モンパルナス1934」ではgoogle mapが大活躍してくれましたが、本に出てくる人物を勉強しなおして更に楽しめました。戦争という重苦しいベールに覆われてはいますが、夢のような淡く素敵な空間でした。